Linux, Mac, Windows 3つのOSの使いどころ比較
新しいMacBookが発表されて、USBポートが1個だけとか、いろいろ話題になってる。僕は買うつもりで、来月の発売を楽しみに待ってる。でもよく考えたら僕は普段Linuxを使っているので、なんでわざわざMacを買おうとしてるんだろう、という疑問が出てきた。なんか「Macの新しいやつ!!」みたいな感じで勢いで買ってしまいそうになってるので、これを機会に、冷静にそれぞれのOSのメリット、デメリットを検討してみることにした。
前提
現在、僕が個人的に使ってるPC一覧は以下の通り。
PCの主な用途としては、Webブラウズ、メール、動画閲覧、ソフトウェア開発、など。ごく一般的な使い方だと思う。
Linux, Mac, Windowsと3つのOSを使ってるんだけど、それぞれの長所、短所、主な役割をまとめてみた。
Linux
ここで言うLinuxとは、正確に言うとLinuxディストリビューションというか、具体的に言うとUbuntuのことを想定してる。
長所
短所
- 市販の周辺機器が動かないことがある。動かなかったとしてもメーカーはサポートしてくれない
- 独占的なアプリケーション(オープンソースでないアプリケーション)が対応していないことが多い(iTunes, ATOK, Microsoft Office, Photoshopなど)
主な役割
Linuxマシンは、僕の場合はメインのPCとして使ってる。zsh, Vim, tmux, Gitが何の問題もなく動いて、テキスト処理とかプログラム開発とか普通にブログ記事を書いたりとかに関しては、3つのOSの中で一番やりやすいと思う。
それでも困ることはいくつかあって、その中でも一番厄介なのがiTunesが使えないこと。僕はiPhoneを使ってるんだけど、LinuxではiTunesが動かないので、iPhoneと同期出来ないし、iTunes Storeで買い物も出来ない。結局ここだけはWindowsを使って凌いでる。
それ以外にもぱらぱらと困ることがあるけど、まあ我慢できる程度。例えばATOKが使えないとか、Flash Playerが開発終了になってる(セキュリティアップデートはまだある)こととか。他にも、僕はHuluを見るんだけど、映画の日本語字幕が文字化けして読めないとか。
でも、日本語入力はまあなんとかなるし、Flash Playerもニコニコ動画ぐらいでしか使わないので、そこまで困ってない。Microsoft OfficeとかPhotoshopとかは元から使ってないので問題ない。Huluは気合でなんとか…。今は大抵Webアプリになっていてブラウザが動けば何とかなるので、特定のアプリが使えないっていうLinuxの弱点はだいぶなくなってきてると思う。
以前はノートマシンにもUbuntuを入れて持ち歩いていたんだけど、勉強会で発表しようと思ってプロジェクタに繋いでも映らないという事件が2回ぐらいあって、それで発表用のマシンにLinuxを使うのはやめた。事前にプロジェクタの種類が分かっていれば準備もできるんだけど、そんなことは普通ない。わざわざ発表の準備して行ったのにそんなことでだめでした、ってことになったらめちゃくちゃ悲しい。僕にとってノートマシンは発表するためにあるもので、発表できないと意味がないので、ノートマシンにはLinuxは使わなくなった。
Mac
Macは、MacBook Airで持ち運び用のマシンとして使ってる。
長所
- iTunesが動く
- 初期状態でフォントがきれい
- iOSアプリの開発ができる
- Unix系の便利なツールが(だいたい)使える
- 独占的なアプリケーションでも、たいていMac版がある
- 市販の周辺機器がたいてい動く
短所
- パッケージマネージャーとしてHomebrewがあるけど、なんか中途半端。apt-getほど簡単じゃない
- 開発環境を揃えるには最初にXcodeをインストールする必要があったり、微妙に面倒
- 標準でGNUのツールが入っていない。BSD由来のツールは使いにくい(sedとか)
- OS自体を自由にインストールできない。Apple製のハードウェア上でしか使ってはいけない制限がある
主な役割
MacはLinuxとWindowsの間みたいな位置づけで、よく言えばいいとこ取り、悪く言えば中途半端なポジション。zsh, Vim, tmuxとかUnix系の便利なツールが使えて、ターミナルで快適に開発できる。その一方でiTunesとかATOKとか独占的なアプリでもMac版がある。なので、Macだけでほぼすべてのことができるのが強み。僕も3つのOSの中でひとつだけしか使えないってことになったら、Macを使う。
あとは、何も設定しなくても見た目がきれいっていうのもうれしいポイント。フォントは明らかにきれい。Linuxでも個別にインストールして設定すればきれいなフォントを使えるんだけど、そういう手間が必要ないっていうのは簡単で良い。
でも、開発環境としては、なんかこうしっくりこない感じがする。だいたいHomebrewでインストールするんだけど、なんか遅いし、たまにbrew link
とか手作業がいるし、OSのバージョンを上げたらHomebrewが壊れた、とかトラブルもあるし、いまいち安心して使えない。Rubyをインストールするときでも、なんか事前にopensslを入れろとか、readlineを入れろとか、gemでnokogiriをインストールするときも、その前に別途libxmlを入れておけとか、パッケージマネージャーのくせに完全にお任せできない。そもそも最初にXcodeを入れる必要があるのが面倒(なんかライセンスに同意するボタンを押したりしないといけないし)。
あと、BSD由来のツールが微妙に使いにくい。Linuxの(というかGNUの)ツールは、一部過剰なところはあるけど、やっぱり便利。それに比べるとMacに入っているツールは使いにくい。sedとかなんかおかしい。
なので、開発環境としてはベストでないと思ってる。僕にとっては、軽くて確実にプロジェクタに接続できる持ち運び用マシンという位置づけ。
Windows
Windowsはデスクトップマシンで、補助的に使ってる。
長所
短所
- 開発環境を整えるのが難しい
- シェルとかターミナルが貧弱
- フォントが汚い
- Linux由来の便利なツールが使えない、または対応が後回しにされることがある
- パッケージマネージャーが無い。そのためアプリケーションのインストール、バージョンアップが面倒
- テキスト処理に弱い
- 何かと再起動を求められてめんどう
Windows
Windowsは、一言で言うと便利じゃないOS。開発環境を整えるのが難しいというか、面倒というか、まったくやる気にならない。
シェルもターミナルもしょぼいし、フォントが汚いのもつらい。Windowsでもフォントをインストールして使えるような気もするけど、僕はその方法を知らない。RubyとかGitとか、そいういうやつは明らかにWindowsを軽視していて、Windowsで使おうというのは茨の道。
それでもなんで使っているかというと、iTunesでiPhoneを管理するため。MacでもiTunes使えるけど、WindowsだったらOSだけ買ってきてLinuxとデュアルブートにできるので、費用が安くて済む。あとは、Windowsはゲームをするのにも向いてる。そういうわけでWindowsも使ってる。
まとめ
というわけで、3つのOSの特徴と使いどころを見直してみた。どのOSにも向き不向きがあって、ひとつには絞れない感じだと思う。
それで、結局僕にとって新しいMacBookがいるかというと、正直微妙なところ。勉強会のときぐらいしか使わないし、その割には高すぎる気がする。MacBook Airの一番安いやつのほうがよさそう。でも、ちっちゃくて軽いのを使ってみたいし、新しいやつはなんかよさそうなので、やっぱり買うことにします!